浦安新聞連載コラム「家庭の法学」㊹養育費の増額・減額

こんにちは。弁護士の矢野京介です。今回のテーマは、「養育費の増額・減額」です。お子様のいるご夫婦が離婚する際に取り決める養育費の支払いは、場合によっては10~20年と長期間に亘るものとなります。その間には、病気などで収入が大幅に減ってしまったり、新たな家族ができたりと、生活環境が大きく変化することも当然あるでしょう。そのような場合、養育費の増額または減額をすることができます。

増額の可能性のあるケースは、子どもと離れて暮らす親の収入が大幅に増えた子どもと同居している親の収入が大幅に減った子どもの成長に伴い必要な生活費が増えた等が考えられ、逆に減額の可能性のあるケースとしては①子どもと離れて暮らす親が再婚して子どもができ、扶養すべき子どもが増えた②子どもと離れて暮らす親の収入が減った③子どもと同居している親が再婚し、再婚相手と子どもが養子縁組した④子どもと同居している親の収入が増えた等が考えられます。

相手が養育費変更の話し合いに応じてくれない、または話し合いはしたものの当事者間で合意に至らない場合は、家庭裁判所の手続きを利用し、養育費の額の変更を求める調停や審判の申し立てを行います。

先日、最高裁の司法研修所が、今よりも養育費の受領額が増える方向で新たな基準を策定する方針を固め、令和元年12月23日に詳細が公表される予定です。2003年に発表された「養育費算定表」が長年実務で使われてきましたが、ここで養育費に変化がありそうです。

養育費についてお悩みの方は、一度専門家に相談されることをお勧めいたします。

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