浦安新聞連載コラム「家庭の法学」㊹離婚を切り出す前に考えるべきこと

こんにちは。弁護士の矢野京介です。今回は、離婚を切り出す前の準備についてお話ししたいと思います。後悔しない離婚のために、離婚を相手に切り出す前に、離婚後の生活設計について考えておきましょう。

まず、離婚の話が具体的になってきた場合、離婚の際、分与する共有財産がいったいどのくらいあるかが問題になりますので、家庭全体の預貯金や保険はもちろんのこと、自宅が持ち家である場合、売却額や住宅ローンの残額なども把握しておくことが大切です。また、それらの資料についてはコピーや画像などで取っておくと良いでしょう。

次に、財産分与や養育費、慰謝料等を支払ってもらうことができたとしても、短期的には問題ないかもしれませんが、長期的には十分とは言えません。就職先は早めに探し始めるべきでしょう。

就職先が決まったら、離婚後の住まいを確保しましょう。実家などに身を寄せることができる方は問題ありませんが、そうでなければ賃貸住宅を探さなくてはなりません。公営住宅であれば収入に応じて家賃が決まるため、離婚直後で生活が苦しい場合にはかなり家賃が安くすみますが、公営住宅は抽選の応募時期が決まっている等タイミングが合わないと入れない可能性がありますので、時間をかけ計画的に進める必要があります。


上記以外にも、お子様がいる場合、相手が浮気をしている可能性がある場合、熟年離婚の場合等、それぞれの状況によって考えておくべきことは様々ですし、どのように必要な情報や資料を集めたらよいのかは一般的には馴染みのないことだと思います。そのため、離婚をお考えの方は、一度専門家に相談されアドバイスを受けることをお勧めいたします。

 

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