浦安新聞連載コラム「家庭の法学」㊶養育費を不払いにされた場合の対応

こんにちは。弁護士の矢野京介です。今回は、養育費を不払いにされた場合の対応方法についてお話しいたします。

離婚する夫婦の間に未成年の子がいる場合、その子どもを監護しない親(非監護者)は監護する親(監護者)に対し、子どもを養育するための費用を支払う義務があります。養育費を取り決める場合、一般的には、離婚時に夫婦が話しあって月額や支払い方法について定めることが多いのですが、実際には取り決められた養育費が、すべてのケースできちんと支払われているわけではありません。平成28年度の厚生労働省の調査によると56%の人が「養育費を受け取ったことがないそうです。

それでは、離婚した相手が養育費の不払いを起こした時、どのように対応するのがよいのでしょうか。

状況に応じて2つの方法が考えられますが、まず一つ目は、離婚時に取り決めた「公正証書」や「調停調書」「判決書」などがある場合です。これらの債務名義がある場合には、調停をせずに相手の財産や給料を差し押さえることができます。

次に、上記のような債務名義がない場合(例えば、協議離婚で口頭のみで養育費の合意をし、書面にしなかった場合や、書面を作成しても公正証書にしなかった場合等)には、いったん家庭裁判所で「養育費調停」を申立てる必要があります。養育費調停において調停が纏まったら「調停調書」が作成され、それを用いて強制執行することになります。

相手が養育費を不払いにしたとしても、法律的に回収する手段はいくつもありますので、あきらめる必要はありません。養育費の不払いでお困りの方は、一度専門家に相談されることを進めいたします。

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