浦安新聞連載コラム「家庭の法学」㉗別居と離婚

うらやす新聞 6月こんにちは。弁護士の矢野京介です。

今回は「別居と離婚」についてお話しいたします。

不貞行為など特に大きな原因はなく性格の不一致で離婚したいと考えているが、相手が応じてくれない。といったご相談者に対し、依頼者の方の離婚の意思が固かったり、一緒にいることが苦痛で辛いといった場合には、まずは「別居」してみてはいかがでしょうかと提案をすることがあります。

日本の法律では、夫婦の間に「婚姻を継続しがたい事由」がないと離婚ができません。

「婚姻を継続しがたい事由」とは、つまり、婚姻関係が破綻しているかどうかであり、夫婦が別居しているという事実が「婚姻関係破綻」を認定する事情の一つとして考慮されるからです。

では、どのくらいの期間別居していると「婚姻関係の破綻」と認められるのでしょうか。平均で5年と言われていますが、同居期間の長さや、別居のいきさつ、生活費の払い方など、様々な要素が相まって判断されるため、単純に年数だけでは判断はできず、ケースバイケースとなります。

相手から暴力を受けていたり、どうしても離婚したいという場合には「別居」することが効果的ですが、別居にはデメリットもありますので注意が必要です。「とりあえず別居してお互い頭を冷やそう」程度の方が別居してしまうと、やり直したいと思った時には相手の気持ちが離れてしまっていたということもあるでしょう。
また、別居してしまうと、浮気の証拠や、相手が持っている財産等について調べることが困難になりますので、事前に済ませておくことが大切です。

別居するべきかどうか、または別居をする際の準備等でお悩みの方は、専門家に相談することをお勧めいたします。

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