オーナー会社経営者の離婚問題
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オーナー会社の経営者様の場合、会社の資産と個人の資産の区別が曖昧であったり、妻が会社の事業に関与していることなどから、考慮しなければならない特有の問題があります。
1 親権
オーナー会社経営者の場合、離婚にあたって、子供を引き取り、自分の会社を継がせたいと考えている方が、少なからずおられます。
当事者間の協議で親権を取得することができれば問題ありませんが、協議がまとまらないときは調停を申し立てます。調停でもまとまらないときは、裁判所が親権者を決めることになります。
裁判所が、親権者を決めるときには、環境の継続性、監護に向けた状況、子の意思の尊重(15歳以上の場合)、親族の協力などの要素を総合して決めますが、中でも、環境の継続性は重視されます。
一方、乳幼児や幼い子供の場合は、母親が優先される傾向があります。その際、母親の経済力は必ずしも決定的な要素とはなりません。
従って、離婚をお考えのオーナー経営者で、親権の取得まで考えておられる場合には、早期に専門家である弁護士に相談して、裁判所を説得できる環境を整備しておく必要があります。
2 会社の資産と財産分与
会社の資産は財産分与の対象となるのでしょうか?
会社の資産と社長個人の資産は、別ですから、原則として、会社の資産は財産分与の対象とはなりません。
ただし、家族経営の零細企業のような場合などには、会社の資産も夫婦の共有財産と評価され、財産分与の対象となることもないとはいえません。
このあたりは、理屈では論じられない感覚的な判断になりますので、経験を積んだ弁護士に相談することをお勧めします。
3 妻が会社の取締役や従業員になっている場合、離婚に伴い辞めさせることはできるのでしょうか?
夫婦の問題と会社の法律関係は、全く別ですので、妻と離婚するからといって、正当な理由なく妻である取締役を解任したり、妻である従業員を一方的に解雇することは難しいです。
従って、離婚協議の際に、話し合って、自主的に辞任、辞職してもらう必要があります。
また、妻が、役員として、会社に貸し付けをしている場合には、それも返済しておく必要があります。
このように、会社経営者の離婚の場合、夫婦の問題以外に、解決しておかなければならない問題がありますので、早めに専門家である弁護士に相談することをお勧めします。
4 妻が会社の株式を保有している場合、どうすればいいのでしょうか?
株主は、会社の経営に関する色々な権限を持っていますし、妻の保有する株式を強制的に取得する手続きも大変煩雑です。
離婚協議の際に、話し合って、こちらに譲渡してもらうべきです。未公開株の評価については、専門の税理士もご紹介できます。
その他、自宅を妻に財産分与する場合は、離婚成立後、しばらくしてから財産分与を行う等の細かいコツもありますが、
会社経営者の離婚問題は、身分上の問題にとどまらない派生的な問題を含んでおりますので、まずは当事務所にご相談ください。
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