離婚に関する豆知識 その③面会交流
離婚後、親権者または監護権者にならなかった方が、子どもに面会したり、一緒に時間を過ごしたり、文通したりすることを「面会交流(面接交渉)」といいます。
面会交流は、子の福祉を害することがない限り、当然に認められるべき権利とされています。そして、この権利は、「親権者または監護権者にならなかった親が子供に会う権利」というだけでなく、子どもが、離れて暮らす親からも愛されていることを実感できる、「両親の愛情を求める子どもの権利」でもあります。
ですから、面会交流を求める親に問題がない場合は、子どもと暮らす側の親は、基本期には面会を拒否することはできません。
しかし、子どもの安全と健やかな成長が一番の目的ですので、それが保たれないと判断された場合は、面会交流を制限または拒否することができます。
【面会の制限や拒否できる場合の例】
①子供に暴力を振るう
②子供を連れ去る恐れがある。
③子供が面会を嫌がっている
④面会することで、子どもの情緒が不安になる。等
面会交流の取り決めは、まずは、夫婦間で話し合います。話し合いで決まらない場合は、「面会交流の調停」を家庭裁判所に申し立て、調停が不成立になれば、裁判所の審判により決められます。
【面会交流の取り決め内容】
①面会の頻度
②1回あたりの面会時間
③面会場所
④子どもの引き渡し方法
⑤費用の負担はどうするか
⑥連絡方法
⑦学校行事、誕生日などの過ごし方
⑧宿泊の可否 等
これらの取り決めは、口約束のみですと、後々トラブルが起こる原因となります。離婚協議書または公正証書などの書面に残すことをお勧めします。
面会交流と養育費
面会交流の取り決めをする際、「養育費はいらないので、子どもとは面会をさせない。」「子供と面会できないなら養育費は払わない。」といったやり取りがよくされます。
しかし、冒頭でも述べましたように、面会交流は「子どもの権利」でもありますから、養育費を払わないからといって、面会交流を拒否することはできません。
逆に、面会交流ができないからといって養育費を支払わなくていいということもありません。面会交流と養育費は全く別のものとして考えます。
そうはいっても、離婚を決意されたご夫婦の間には、様々な感情があることでしょう。
「養育費を払ってくれないのに・・・・」とか、「苦しい思いをして毎月養育費を払っているのに・・・・」とか、「子供に悪い影響を与えないか不安。」といったお気持ちになるのもとてもよく分かります。
子供は一人では生きていくことができません。ですから、親の態度や発言にはとても敏感に反応し、自分を守るため、本当の気持ちを言えないかもしれません。
面会交流に関しての話し合いをする際には、ご自分の感情が優先されていないか、本当にお子様のことを思っての主張なのか、今一度ご自身と向き合っていただければと思います。
お子様の本当の気持ちを大切に、お子様の健やかな成長を一番に考えて、話し合いがされることが何よりだと思います。
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